Appleが2011年7月に発売した新しいMacBook Airは8.5万円からの価格設定で、日本では非常に安く見える。
実際、この手の小型で薄型の製品は高いと相場が決まっていたが、ネットブックの影響もあり価格が下がりつつある。
競合とも言えるLenovoのThinkPad X1やソニーのVAIO Zは15万円ほどからの価格設定になっており、一見MacBook Airの価格はかなり低価格に感じる。
しかし、MacBook Airで8.5万円の設定になっているのは、小型の11インチモデルで64GBのストレージ搭載モデルとなっている。この64GBというのはWindowsでも同じだがMacでも非常に少なく、普通にパソコンとして使うことが難しいくらいの容量だ。
容量はせめて128GBはほしいところで、そうなると10万円という価格になる。
これらの製品をアメリカでの価格で見てみると、日本で8.5万円の製品は$999、10万円の製品は$1,199となる。
アメリカなど日本以外の先進国でのノートパソコンの売れ筋は$800程度となっており、これと比べると実際に使える仕様の$1,199の製品は1.5倍と高価なものだ。
最低スペックの$999と比べても2割は高く。世界的に見ると安くはない。
一方、日本でのパソコンの売れ筋は10万円台前半から15万円の製品で、直接の競合とも言えるThinkPad X1などはそれなりに使える仕様の製品からの提供で若干高く見える。さらに、Windows製品のほとんどは発売後価格が下がるが、アップル製品が価格が下がることはほぼない。
さらに1ドル80円ほどという為替の影響もあり、日本では世界的な価格からは2割近く安く見えている。
以上の主に、世界市場と異なる日本のパソコン販売価格、為替の影響で、一見MacBook Airが安く見えているだけとも言える。