Intelが2021年後半にリリースするAlder LakeではAVX関連の対応状況に変化がある。
新機能の採用もあるが、従来は対応していた物が非対応になっている場合もあり、今まで使えていたソフトウェアは使えなくなる可能性もあるので注意が必要だ。
インテルのAVX機能はAdvanced Vector Extensions(アドバンスト・ベクトル・エクステンション)という、CPUに内蔵されたベクトル演算機能だ。
科学技術系の演算、画像処理など様々な場面で活用され始めていて、様々なソフトウェアがこの機能を使っている。
AVXが初めて採用されたのが2011年のSandy Bridgeから、その後、128bitから256bitになったAVX2が2013年のHaswellから採用され、一部Skylakeで512bitに対応するAVX-512が採用されたが、本格的にクライアント向けCPUでAVX-512に対応したのが2019年のIce Lakeから。
このAVX-512はIntel Deep Learning Boostという名称もつけて、ソフトウェア開発者向けに採用を呼びかけていた。
2021年後半にリリースされるクライアント向けのCPUであるAlder Lakeでは、高性能プロセッサと、高効率プロセッサを組み合わせるアーキテクチャを採用するが、高効率プロセッサのGracemontではAVX-512に対応しないため、Alder LakeでもAVX-512の対応はない。
高性能コアのGolden Cove自体はAVX-512は対応しており、このコアを採用するサーバー向けのSapphire RapidsではAVX-512に対応する。Alder Lakeに採用されるGolden CoveにAVX-512機能自体が実装されているがオフになっているのか、実装されていないのかは不明。
とはいえAtom系列のコアとしては初めてAVX系に対応するのがGracemontになるため、低価格向けPCでの特に画像処理系パフォーマンス向上にはつながるだろう。
Alder LakeではAVX-512には対応しないが、AVX-VNNIという機能など、Intel AVX、AVX-VNNI、AVX2などの機能は対応する。クライアント向けのソフトウェアでAVX-512でしか対応しない機能を提供している場合、新しいCPUへの対応が必要になる。
https://software.intel.com/content/www/us/en/develop/download/intel-architecture-instruction-set-extensions-programming-reference.html
https://software.intel.com/content/www/us/en/develop/articles/intel-sdm.html