レノボは2022年3月3日、レノボでの環境対応についての記者会見が開催された。
この記事では、その中で説明されたレノボでの再生プラスチック使用に関してまとめます。
レノボでは2017年からACアダプタの外装用の材料として、再生材料を30%使用していたが、2021年に95%を実現した。
同業他社は2021年に50%、2023年に80%のため、再生素材の利用では業界をリードしている状態。
ACアダプタだけで無く、バッテリー、スピーカー含めてThinkPadの各種部材で再生材料を利用し始めている。
ここで利用している樹脂はソニーセミコンダクタソリューションズのSORPLAS(ソープラス)という難燃再生プラスチック。回収したポリカーボネート(PC)にソニー独自開発の難燃剤(PSS-K)を加えた樹脂。回収するのはCDなどの光学ディスクや大きな水のボトル。他の難燃剤の場合は10%前後の添加率になるが、PSS-K難燃剤の添加率は0.3%で再生材料の比率を高く出来るのが特徴している。
レノボとソニーの競合が始まったのは2017年で、ACアダプタの出荷は2021年なので4年ほどかかっている。
今後、筐体やキーボードカバーでも展開する予定としている。
SORPLASのCO2排出量はバージンポリカーボネート比で75%となっているとして、材料自体の物性等も回収を繰り返しても性能が落ちない事を確認済みとしている。出荷した製品を回収、そこからの再利用も計画しているとしている。
近年のプラスチック利用の問題は、プラスチックを使用する事による化石燃料の使用、使用後のプラスチックの廃棄の問題があります。
レノボの取り組みは、プラスチック自体は使用するが、再利用することで新たに化石燃料を使用することを減らす事と、CO2の排出量を減らすことのようです。新たな化石燃料は減らせるでしょうが、光学ディスクなどからのポリカーボネート回収は今後も継続できるのでしょうか。また、回収と再生、再利用でのCO2の排出量は、本当にナフサから生産するバージンポリカーボネートをそのまま製品にした場合と比較し、本当に少ないのかは今後の検証が必要と思われます。