HPのTouchSmart PCが国内で販売される。これは一体型デスクトップPCでタッチパネルを搭載した製品。
タッチパネル機能はWindows上のどの画面でも使用可能だが、HP独自ソフトのHP SmartCenterを使うことでより活用できる。
PCのように画面が顔に近い製品は、画面に直接さわって操作するタッチインターフェースの活用が進むと思われるが、HP TouchSmart PCはリビングなどに置いて、家族のコミュニケーションを活用することも狙った製品。
このコンセプトとタッチ画面のインターフェース自体悪くないが、問題はWindows Media Centerを必要とするSmartCenterの使い勝手と機能だろう。
SmartCenterは家族のコミュニケーションを活用する一連の機能を備えているが、ソフトウェアの完成度がそれほど高くなく、画面切り替え時に数秒間真っ暗になるなど、今後このシリーズを展開していくためには、より細かな改良が必要だろう。
しかし、最大の障壁となるのが、そもそもWindows上でこれらのソフトを動作させている点だろう。
Windowsを使うことで、既存のさまざまなアプリケーションソフトを動作させることも可能だし、タッチパネルUIを搭載するのも簡単だろうが、必ずしもこれがユーザーの使い勝手につながっているわけではない。
iPhoneはOS Xがベースとなっているようだが、Mac OS Xとは全く異なるUIと使い勝手を実現している。
TouchSmart PCはPCであり、タッチパネルを全く使わない利用方法も可能だが、もしもより使いやすい家族のコミュニケーションツールをつくりたかったらWindowsにとらわれない新しい製品があってもよさそうだ。
ノートパソコンで使い勝手のよいUIもWindows Vistaのタブレット機能だけではなかなか難しそうだ。
HP TouchSmart PC 製品情報
タッチで操作できるコミュニケーションツール「HP TouchSmart PC」を発売