JEITA バッテリ駆動時間測定法(Ver. 3.0)を発行

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JEITA測定法3.0

JEITAは2023年5月31日、日本におけるノートパソコン用のバッテリ駆動時間測定基準を改訂し「JEITAバッテリ駆動時間測定法(Ver. 3.0)」を発行した。
2014年に発行したVer. 2.0からの改定になるが、測定基準が厳密化したものの、アイドル時間と、動画再生時間を基準とするという基本的な部分は変わっていない。

日本におけるノートパソコンのバッテリ駆動時間はJEITAのバッテリ駆動時間測定法(Ver. 2.0)が使われていたが、PCに関連する状況も変化し、この測定法では実態に近い数字にならないのが問題になっている。例えば、この基準で20時間駆動となっていても、一般的な使用の場合は10時間程度と、半分くらいなるのが目安になるくらいに、かけ離れた数値になるのがJEITA測定法2.0だ。

バッテリ駆動時間測定法(Ver. 2.0)は、起動はするが何も動作させていないアイドル状態と、動画再生でのそれぞれの駆動時間の平均値を出すというものだった。バッテリー駆動時間の設定当時、動画再生はCPUをフルに近い状態で使用していたため、動画再生とアイドル状態の平均値というのは、実使用時間の目安に近かった。2010年前後から、動画再生はCPUではなく、低消費電力で動作する専用のデコーダで行うのが一般的になり、CPUをほとんど使用しない動画再生と、本当に何もしていないアイドル状態の平均値から駆動時間を表すという、実使用時間からはかけ離れた数値になってしまっていた。

今回のVer. 3.0は測定方法がより厳密になり、動画、アイドル時に使用するデータも指定されるなど、メーカー間、個別モデルの特性での測定のバラツキが防げるような、新しい測定方法が設定されたような形になる。
この基準は2023年12月1日から発売する製品で記載し、しばらくは経過措置として旧測定法も記載されるようだ。

メーカー間での測定方法が統一するのが今回の改正のポイントになるが、新しい測定法での数字自体は、実使用からかけ離れた数字になるのは相変わらずだ。コンピュータとしての機能はほとんど使用しないが、一応使用している動画再生での駆動時間は表示されるので、実際に使った最大時間の目安にはなるかも知れない。
従来の基準の方が、表示内容の半分が実使用時間の目安だったので、アイドル時と、動画再生時間を両方表示になると、実使用時間の目安がわかりにくくなるというデメリットも生まれそうだ。

日本以外ではBatteryMarkなど実使用に近いベンチマークソフトでの数字を表示しており、こちらの方が実使用時間に近い。

https://home.jeita.or.jp/pc_tablet/guideline/battery3.html
https://www.jeita.or.jp/japanese/topics/2023/0531.pdf