VAIOはフラグシップモデルのVAIO Zを2021年2月18日発表した。
発表会ではグローバルフラグシップモデルとしているが、グローバルフラグシップモデルとは何かなど製品の詳細が語られた。
VAIOは2014年にソニーから独立し、一旦グローバル市場から撤退し、日本国内専業としていたが、2015年より順次海外市場へ展開していった。現在は海岸販売比率が50%に迫るところまで成長させる事が出来た。上位モデルは日本特有のニーズに対応したモデルで展開していたため、海外での評価は高くはなかった。
VAIOらしい提案が出来る製品が求められている事はわかっていたが、これまでの経験から「これこそがVAIOだ」という提案ができるようになったため、VAIOのブランドを再定義した。
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挑戦に火をともそう デザインと技術で、世界中のイノベーションを加速する
世界中の様々なイノベーションの実現に果敢に取り組まれている方々に「最高のコンピューティング体験」をもたらすPCとして今回のVAIO Zが発表された。

VAIO Zは並外れたスピード、スタミナ、強靱さを軽量の筐体で両立した実現。
並外れたスピード、スタミナ、強靱さを軽量の筐体を実現したのが立体成型フルカーボンボディによって実現した。
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スピード
2017年のVAIO S13と比較し、ストレージ2.2倍、プロセッサー(CPU+GPU)3.4倍、Network(5G+LTE)9.9倍を実現。
ストレージはシーケーンシャルリード、プロセッサーはGeekbench、ファイルダウンロードスピードで測定。
実際の操作でも2017年のVAIO S13を比較し、ファイルを開く2倍、ファイルコピー19.3倍、スタンバイからの起動で2.3倍、ウイルス検索2倍。OSアップデート1.8倍、マクロ実行2.4倍と待たされる時間が減る。

この性能は重い筐体に高性能なCPUを載せれば簡単に実現できるが、VAIOは軽量の筐体で高性能を維持しているため、単位重量あたりのプロセッサースピードという指標を使った場合でも、11世代の他社のCore搭載製品、AppleのMacBook Pro(M1)と比較しても、重量あたりの性能が高いことを公表。
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スタミナ
18時間の動画再生を実現、実用的なケースでも朝9時から夜8時頃までほぼ使い続けるようなケースでも25%程のバッテリー残量がある。
ここでも単位重量あたりのバッテリー駆動時間も他社の11世代Core、AppleのMacBook Pro(M1)と比較しても高い。
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筐体の剛性
72cmやMIL規格の122cmに加えて、長身ユーザーの脇の位置になる127cmからの落下試験に耐える試験に対応。
新しく設計し直した1.5mmのキーストロークがあるキーボードを採用。
VAIO User Sensing
Windows Hello機能を使った、ログイン操作が必要なくVAIOの前に行くだけで自動的にログインする機能。
VAIO Zのデザイン
一本の繊維の流れから形作るというアイデアから生まれた。1本の細い糸が何重にも重なり合い、強く軽い物体を生み出せるのがカーボンファイバーの魅力。
1997年にマグネシウムを採用、2003年にカーボンファイバーを採用。
カーボンファイバーは加工が難しいため、平面の使用が主だった。立体成型で大量生産を実現するため、東レを中心としたTeam Japanでこれを実現した。
Intelの11世代Core Hを採用
アクティブクーリングシステムによって実現した。
カーボンファイバー素材のリサイクルも進めていく。
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VAIOの海外展開について
日本で開発した製品をグローバルに展開する形と、各地のパートナーが商品企画をし日本でディレクションと監修をし、VAIOブランドで販売するという方式を採用している。
南米で販売したVAIO FEは前年比2倍、中国で販売したVAIO FHで現地でおすすめ商品になるなど、成功している。
今回のVAIO Zはグローバルで展開するフラグシップモデル。
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今回の発表ではAppleのM1プロセッサ搭載のMacBookと比較しているが、これはM1のMacBookが「とても衝撃的であり、また大いに勇気づけられた」から。M1プロセッサーの素晴らしさは「消費電力と、コンピューティングパワーの均衡を打ち破るブレイクスルーを成し遂げたこと」。VAIOの立体成型フルカーボンボディも性能と軽量性を打ち破るブレイクスルーを実現させている。
ブレイクスルーこそがVAIOのDNA。