Apple Silicon Mシリーズ

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Apple Silicon

Appleの主にMac向けに提供されているSoC Apple SiliconのMシリーズについてまとめます。
SoCとはSystem on Chipの事で、CPUだけでなくGPU含めた主要なコンピュータの機能を1つのパッケージにしたチップです。

Apple M1 シリーズ

Appleが2020年11月にリリースしたMacシリーズやiPad Proシリーズに搭載されるSoC。160億のトランジスタで構成されている。
TSMCの5nmプロセスで製造され、iPhone用に2020年9月にリリースされたApple A14 Bionicと同じマイクロアーキテクチャのFirestormとIcestormが採用され、インストラクションセットはARMv8.5-A。

パフォーマンスコアのL1インストラクションキャッシュは192KB、L1データキャッシュは128KB、L2キャッシュは12MB。高効率コアはL1インストラクションキャッシュとして128KB、64KBのL1キャッシュ、4MBのL2キャッシュ。GPUとして16MBのキャッシュ。

GPUは1つのコアに16のExecution Unitがあり、それぞれ8つのALUがあるため、8コアGPUで128EU、1024ALUになる。

M1のメモリはLPDDR4XのSDRAMで4266MHzで、68.2GB/s。M1 Pro、M1 Max、M1 UltraはLPDDR5-6400

Apple M1

2020年にIntelからCPUの移行で採用されたAppleが独自に設計したSoC。iPhone用に開発されていたSoCをPC用により強化した物になる。

CPUコアは8コアで、ハイパフォーマンスコアが4、高効率コアが4という8コアの構成。
GPUコアは最大8コアで、128 execution units。インテルの11世代Core(Tiger Lake)のGPUは96 execution unitsなので単純な数はIntel CPU内蔵GPUよりも多い。下位モデルのGPUコアは7になる。
機械学習用に16コアのNeural Engineも搭載している。
メモリを1つのパッケージに統合するUMAを採用し、8GBもしくは16GBのメモリになる。

Apple M1 Pro

2021年に登場したプロ向けのMacBook Proシリーズに採用のM1よりもハイエンドなSoC。
CPUコアは10コアで、ハイパフォーマンスコアが8、高効率コアが2で10コアが基本の構成。下位モデルは8コアになり、ハイパフォーマンスコアが減る事が予想される。
GPUコアは16コアが基本で、下位モデルは14コアになる。
Neural Engineは16コア。
M1同様にメモリを1つのパッケージにし、16GBもしくは32GB。メモリバンド幅は200GB/s。

動作周波数は16インチMacBook Proの供給電力が140Wと大きいため、16インチはより高速に動作する物と予想される。

Apple M1 Max

2021年に登場したプロ向けのMacBook Proシリーズに採用のモバイル製品に搭載されるM1シリーズで最上位のSoC。
CPUコアは10コアで、ハイパフォーマンスコアが8、高効率コアが2で10コアが基本の構成。
GPUコアはM1 Proの2倍の32コアが基本で、下位モデルは24コアになる。
Neural Engineは16コア。
M1同様にメモリを1つのパッケージにし、16GBもしくは32GB、64GB。メモリバンド幅は400GB/s。

動作周波数は16インチMacBook Proの供給電力が140Wと大きいため、16インチはより高速に動作する物と予想される。

Apple M1 Ultra

Mac Studioで採用されたM1 Maxを2つつなげたSoC。この接続はUltraFusionという技術が使われている。
20コアのCPUはハイパフォーマンスコアが16、高効率コアが4。GPUは48コアもしくは64コア。Neural Engineは32コア。
メモリは64GBか128GB。

Apple M2シリーズ

2022年6月のWWDC 22で発表され、7月に発売するMacBook Air、13インチMacBook Proから搭載される。
TSMCの第2世代5nmプロセス(N5P)で製造され、200億トランジスタで構成され。M1を改良し、GPUは10コア、メモリは最大24GBになった。
アーキテクチャはiPhone用に2021年9月にリリースされたApple A15 Bionicと同じAvalancheとBlizzard。
Apple M2シリーズのハイパフォーマンス版M2 Pro、M2 Maxは2023年1月に発表された。

Apple M2

M1より20%多い200億個のトランジスタで構成。

高性能コア4、高効率コア4で8コア構成。
高性能コアのL2キャッシュがM1の12MBから16MBに強化。
GPUコアのキャッシュ強化、各コアの動作周波数も高速化しているようだ。

最大メモリ量は24GB。

Apple M2 Pro

M1 Proの20%増の400億個のトランジスタで構成。

M1からM1 Proへの変更とコンセプトは同じで、CPUやGPUのコア数が強化されている。
M2のCPUは10コアだったが、12コアか10コアへ。GPUは19コアか16コア。
高性能コア6か8、高効率コア4で10から12コア構成。

M2 ProとM2 MaxのNural Engineは15兆8千億回の演算が可能。

最大メモリ量は32GB

Apple M2 Max

M1 Maxより100億多い670億個のトランジスタで構成。

M2 ProからGPUを強化した物で、GPUコアは30コアか38コアになっている。
CPUコアは高性能コア8、高効率コア4で12コア構成。

最大メモリ量は96GB。

Apple Silicon M1とM2の違い

Apple M2 Ultra

M1 Ultraと同様にM2 Maxを2つつなげた構成。

最大メモリは198GBになる。

Apple M3シリーズ

2023年10月のApple Eventで発表され、11月に発売するMacBook Pro、iMacから搭載される。
TSMCの3nmプロセス(N3B)で製造され(ていると思われ)、iPhone 15 Proシリーズに使われているApple A17 Proの改良版と思われる。
従来Pro、Max版は数ヶ月後に発表されていたが、M3、M3 Pro、M3 Maxが同時発表された。

CPU、GPU、NPUが強化され、AV1のデコードに新規で対応した。
特にGPUが強化されDynamic Caching、Mesh Shading、Hardware Accelerated Ray Tracingに対応する。
CPUのコア構成が特にM3 Proで変わっている。

トランジスタ数
M3 250億
M3 Pro 370億
M3 Max 920億

Apple M3

高性能コア4、高効率コア4で8コア構成。各キャッシュ、GPUコアは8か10、Neural Engineコア数は16、メモリ最大24GBなど基本的な構成に変更はない。

Apple M3 Pro

M2 Proより、CPUコアの構成が変わり、高性能コア5か6、高効率コア6で11から12コア構成。
最大メモリは36GB。

Apple M3 Max

M2 Maxより、CPUの高性能コアが増え、高性能コア14か16、高効率コア4で14から16コア構成。
メモリは最大128GB。

Apple Silicon Mシリーズのリリース時期

M1 2020年11月
M1 Pro 2021年10月
M1 Max 2021年10月
M1 Ultra 2022年3月

M2 2022年6月
M2 Pro 2023年1月
M2 Max 2023年1月
M2 Ultra 2023年6月

M3 2023年10月
M3 Pro 2023年10月
M3 Max 2023年10月

Apple A14 Bionic 2020年9月
Apple A15 Bionic 2021年9月
Apple A16 Bionic 2022年9月
Apple A17 Pro 2023年9月