全く使えなくなったJEITAバッテリ動作時間測定法Ver1.0

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JEITAバッテリ駆動時間測定法は、各メーカーまちまちだったバッテリ駆動時間の測定方法を統一すべくJEITA 一般社団法人電子情報技術産業協会が2001年に定めたノートパソコンのバッテリ駆動時間測定法だ。

策定当時ver.1.0と書かれていたので、時代に合わせて改訂するのかと思われたが、2001年当時から全く変わることなく10年経った2011年現在でもそのまま使われている。
しかし、2008年の段階で、JEITAは陳腐化しているとは判断していなく、実際の使用時間と大きな乖離が発生しているとは認識しているようだ。

それでは、このJEITAバッテリ駆動時間測定法の何が問題なのだろうか?

単純すぎる測定方法
パソコンを何もせず、最低限の設定に下状態で放置した時間、2001年当時は高負荷だったMPEG画像の再生時間を2で割った数字を駆動時間として表示している。
パソコンを使う場合、1つの操作をやり続けるようなことはなく、メールを読み書きしたり、動画を視聴したり、スリープしたりなど様々な使われ方をするが、これらの要素は一切無く、2001年当時高負荷だったものと、何もしていない物の中間にしておけばいいだろうという単純な測定方法。

最低限の設定がほとんど実用に耐えない場合も
パソコンで設定を変更することで使用電力が大幅に変わるのが液晶の輝度だ。液晶の輝度はバックライトを完全に消灯した状態と、バックライトを点灯させた状態があり、点灯させても最も暗い状態と最も明るい状態は機種によって異なる。
一般的に、カタログに表記する駆動時間を測定する場合、ここで点灯させているが最も暗い状態にすることが多い。この最も暗い状態が暗すぎて画面がほとんど見えない機種もある。
また、最低限の設定にするには非現実的な設定をする必要のある機種も多く、ユーザーの使用環境とは全く異なる状態を最低限の設定にしていることがある。

MPEG動画の再生は今時負荷がかからない
特に2011年の第二世代インテルCore iファミリーになってからだが、MPEG2やH.264といった、2008年頃までは高負荷と言われていた動画の再生もCPU付加10%程度で再生できるまでハードウェアが高性能化している。
ここで2001年当時高負荷だったMPEG動画の再生をしてもほとんど負荷がかからないという状態だ。

海外での測定方法と全く異なる
日本以外でのバッテリ駆動時間表示は、一般的にMoible Mark 2007などを用いている。
これはベンチマークソフトで、比較的実際の使用環境に近い状態で負荷をかけ、実際に出てくる数字も、実利用に近い数字として表示される。
日本で販売されている製品でも、日本向けはより長いJEITA測定方法を表示し、海外向けはMobile Markでの結果を表示するというような事をやっている会社もいくつかある。

まとめ
JEITA測定法が実際の使用時間とは乖離してはいるが、一応の参考にはなる。機種にもよるが表示時間の6割前後の時間バッテリ駆動できると考えるといいだろう。前述したようにグローバルモデルなら、海外での公表時間を見るのもいい。
中には日本HPの用に日本でもグローバルと同じバッテリ駆動時間を表示している会社もある。

なんにせよ、バッテリは消耗品で使用開始から1年から2年で使用時間が短くなってくる。購入直後に自分の環境では何時間くらい使えるのか、実際に測定しておき、今後の参考にするのがいいだろう。