ノート型パソコンを略してノートパソコンと呼ぶ事が多いですが、ノートブックパソコン、ノートブックPC、英語ではLaptop PCなどとも言われます。
1980年代のパソコンはブラウン管を使ったディスプレイが主流で、コンピュータに利用出来る薄型ディスプレイがありませんでした。
そんな中で、薄型ディスプレイ技術がいくつか登場し、パソコンとディスプレイを一体化してコンパクトに出来るようになってきました。
それまでも、一体型でコンパクトにできる製品はいくつかありラップトップPCというジャンルで販売されていましたが、それをはるかに小型軽量化した製品が登場しました。
それが、東芝(現Dynabook)が1989年に発表したJ-3100SS 001 DynaBookです。
DynaBookはパーソナルコンピュータの父とも言われるアラン・ケイが1972年に発表したダイナブック構想から名付けられた物で、当時としては軽量な2.7kg、厚み44mmで筐体サイズもA4サイズで、一般的なカバンに入る大きさ重さ、さらに198,000円という当時のパソコンとしては魅力的な価格もあり、人気になりました。
その後、各社から同様の製品が続くようになり、今では同じフォームファクタで性能は圧倒的に高性能になりましたが重量は1kg以下、厚みも20mm以下の製品が当然のように出回っています。
ノートパソコンという呼び名は、J-3100SS、エプソンの286NOTE Executiveの後に発売されたNECのPC-9801Nが98NOTEの愛称で発売されたことで、ノート型パソコン、略してノートパソコンという呼び方が日本で一般的になっていきます。
パソコンは、パソコン本体、ディスプレイ、キーボード、J-3100SS発売当時はほぼ使われていなかったマウスのようなユーザーインターフェースすべての機能を一つにまとめています。(厳密には電源アダプタも必要)
そのような各機能が分離し、机の上に置いて使うパソコンが、デスクトップ型パソコンで、すべての機能が一体化して、ノートのように気軽に持ち運べるパソコンがノートパソコンです。
そもそもパソコンとは
コンピュータとは計算機のことで、そろばんもその一種ですが、現代では一般的に計算機と言えば電子計算機の事を言います。
電子計算機登場当初はビル一つ分だったサイズが、ビルの1フロアくらいになり、それがビルの部屋一つ分くらいになった頃にミニコンピュータと呼ばれるようになりました。
この1フロアくらいのコンピュータは大型コンピュータなどと呼ばれています。
その部屋一つ分くらいだったコンピュータは、政府や組織が所有する物で、利用も交代で使うしかありませんでした。
その後の1970年代中旬ころに登場したのが、より小型のマイクロコンピュータです。
机の上に乗せて使えるくらいまで小型化したことでマイクロなコンピュータとして、マイクロコンピュータ、略してマイコンと呼ばれるようになりました。
小型のマイコンは、個人で購入できる価格でもあり、一般企業や個人にも手に入るようになりました。アランケイのダイナブック構想でもパーソナルコンピュータという言葉は使われていましたが、この頃にようやくコンピュータがパーソナルな物にもなったことから、マイクロコンピュータという呼び方では無くパーソナルコンピュータという呼ばれ方も呼び方も生まれました。Personal Computerを略してPCという呼び方もこの頃生まれました。
ちなみに、富士通のFMシリーズはFujitsu Microの略です。
一時期までは、日本ではマイコンは自分のコンピュータを意味するMy Computerの略としても使われていました。