Apple SiliconのM1やM2のパフォーマンス自体は、インテルの同世代のCoreシリーズに匹敵します。
しかしApple Siliconは高い電力効率が特徴で、同じ電力ならインテルのCoreシリーズを圧倒的に上回るパフォーマンスとなっています。
一方で、ARM系の他社製品と比較した場合、Apple Siliconは消費電力やプロセッサ自体の性能含めて、同世代の他社製品を圧倒的に上回っています。
半導体の設計はかなりの時間がかかります。Appleは自社でiPhone用のAシリーズの開発は10年以上、買収した会社を含めると20年以上の開発経験があります。他社が追いつこうと持ってもすぐに出来るわけではありません。
そんな中で、ARM系としてはAppleに対抗できそうなのがQualcommです。
2022年に発表されたQualcommのハイエンド版SnapdragonはARMのCortexを採用していますが、この世代ではApple Siliconに対抗出来ていません。
そこでQualcommは2022年11月に、OryonというARM系アーキテクチャを採用するCPUコアの開発を発表しました。
発表は同社のイベントSnapdragon Summit内で行われた物で、これを説明したのがジェラード・ウイリアムズ氏(Gerard Williams)です。
ウイリアムズ氏は2019年に設立されたNuviaの共同創業者で、同社が2021年にQualcommに買収されて入社した人物。
その前まではAppleでiPhone向けのAシリーズの開発、その前はARMに在籍し、半導体はもちろんARMの開発に関してかなりの経験があります。
そんな人物がその企業と共にQualcommへ加わり、2022年11月に発表したのが、OryonというハイエンドCPUの開発発表。
発表の中では「this announcement ahead of developments coming in 2023」とあり、今回の発表は2023年の開発に先立つものとなっています。実際に2023年から開発が始まるなら、製品の出荷はその何年か後になる事が考えられます。
どうなるかは不明ですが、同社の決算発表等の内容からは、実際の製品出荷は2024年頃になるようです。
Oryonが実際にどのような機能なのかの詳細は語られていませんが、Apple Siliconの用にARMを使ったハイエンド向けPCにも耐えうる独自のプロセッサを設計するようです。
Armのラインセンスは2種類あり、TLA(Technology License Agreement)とALA(Architecture License Agreements)です。
ALAはアーキテクチャに関するラインセンスで、AppleがArmアーキテクチャを使ったCPUの開発を許可するようなライセンス。TLAはArmがつくったCortexなどを基本的にそのまま使うライセンスです。
前者は時間もコストもかかりますが、自社の思うままにCPUを作れます。後者はライセンスを買ってくるだけでCPUの設計を購入可能です。
現時点ではAppleがArmと結んでいるALAで製造されるAPple M1やM2などといった製品は、世界でも最高レベルに高性能な設計になっています。
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