HPのPC部門はどうなってしまうのか?

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HPが2011年8月18日に公表した同社のPSG(Personal Systems Group)の分離も含む事業構造の変更は各方面で話題になっているようだ。

PSGはPCを中心とする部門で、2010年度の売り上げは410億ドルと4兆円近い非常に規模の大きな部門だ。2011年におけるHPのPC世界シェアは1位で、もしもこの事業を同業他社へ売却しようとしても、これを受け入れられる会社は限られるし、会計上はなんとか可能になったとしても、持て余してしまう会社の方が多いかもしれない。

実際、分離するかどうかも今後1年から1年半かけて検討するというので、どうなるかはまったくわからない。

IBMにおけるレノボの例で言えば、IBMからPC事業をレノボに売却したことで、旧IBMのPC部門はIBMの事業戦略に影響されずにPCビジネスに集中できるようになった。関係者によれば、これにより社内のモチベーションもあがったのだという。
PC自体の成長は鈍化していると言われているが、途上国はまだまだ成長途上だし、日本のような先進国でも使用していない方が多いため、やり方次第でさらなる販売台数を確保する事は可能だろう。
この辺りは、AppleにおけるiPadやMacの関係をみてもやり方次第という事はわかるだろう。

HPとしてはソリューションビジネスに移行するにしても、PCが全くなくなってしまうのも問題だろう。その場合、PSGを分社化し、PCを中心としたフットワークの軽い組織にしたうえで、圧倒的なシェアを武器に様々な仕掛けをすることも可能だろう。
分社化した上で、売却ではなく、他社を買収するというようなこともあり得るだろう。

HPのPSG事業の選択肢
何も変わらない
PSGを分社化
PSGを分社化した上で他社を買収
PSGを他社に売却

HP to Evaluate Strategic Alternatives for Personal Systems Group