パソコンの性能が必要な用途に動画編集があります。
一般的には高性能なパソコンが必要なので、ノートパソコンでは厳しいとされていますが、どの程度のスペックで動画編集できるでしょうか。
動画編集に最低限必要なスペックを解説します。
動画編集とは
動画編集はどこまで何をやるかによりますが、基本は動画の必要な部分を選び、いくつかの動画をつなぎ、タイトルやテロップなどを入れて、BGMなどを追加して、1つのファイルとして出力するのが基本です。
この程度の内容なら最新のパソコンの性能が問題で動画が編集できないということはありません。
もちろん、最低スペックのパソコンなどでは処理に時間がかかることもありますが、10万円程度以上のパソコンを選べば処理に時間がかかりすぎるようなことはないです。
この基本的な動画処理で最も時間がかかるのは最終的に1つのファイルとして処理するエンコードという行程です。
この行程は最も処理性能が必要になりますが、最新のパソコンは独自のエンコード用処理回路が入っているため、この処理も高速に行えます。
動画のエンコードを高速に行える回路と対応ソフト
使用しているCPUやGPUによりますが、一般的なパソコンに使われているインテルのCPUの場合はIntel Quick Sync Videoという動画処理用の専用回路が入っています。
これは2011年のCPUから導入されており、CPUの世代毎により性能が強化されています。
一般的に世代毎に強化されている性能は、解像度、コーデックなど細かな内容で、一般ユーザーはそれほど気にする必要はありません。直近のパソコンなら問題なく最新の形式でファイル処理可能です。
他にもNVIDIAのGPUにはNVENC、AMDにもVideo Coding Engine(VCE)として搭載されています。インテル同様に他社の処理回路も世代毎に進化しています。
これらの処理回路を使って処理できる動画編集ソフトで処理すれば、CPUだけで行うと30分かかる処理が、5分で終わるような超高速に出来るようになります。
動画製作に性能が必要な特別な用途
最もパワーが必要なのが最終的な動画の出力ですが、それ以外にも性能が必要な用途があります。
例えば、特殊なエフェクトのタイトルやテロップを作りたいような用途です。
このような場合にはAdobe After Effectsなどを使いますが、このソフトは1コマずつ映像を作成するので、メモリやCPUの処理性能など全ての面で高性能なパソコンが必要になります。
例えば動画処理には16GB程度のメモリが必要などとされますが、After Effectsで作った凝ったタイトルをその場でスムーズにプレビュー(RAMプレビュー)するのにもメモリは数十GB単位で必要になります。スムーズに表示しなくても問題ないならそれほどのメモリは必要ありませんが、性能は高ければ高いほど快適に利用可能です。
また360°動画の処理、HDR等含めて色を調整するようなグレーディングなどの、全体的な動画の調整、一部分だけのぼかし処理を自動化するような、凝った処理をしたい場合はパソコンの性能が必要になります。
このようなプロやハイアマチュアの用途で動画編集をしたい場合は高性能なパソコンが必要になります。
一般的なほとんどの動画は、動画をつなぎ合わせて、用意されたテンプレートからテロップを作成して、BGMなどを追加して出力するという簡単な処理しか行われていません。つまり、一般的な用途の場合は、ちょっとよいパソコンを選べば良いという事になります。
普通に動画編集するのに必要な最低限スペックは
前述したように動画出力用に専用の処理回路は最近のパソコンのほとんど全てに入っています。それ以外で動画編集で特に必要なのがストレージの容量です。
ストレージ容量とはハードディスクや、SSDなどのデータを保存する容量のことです。
動画のファイルは1つが数GB単位になる事がおおく、ちょっとした動画を編集するのにも合計10GBのデータを使うような事があります。例えば、パソコンのストレージ容量が128GBしかないと他の容量を含めて、10GBの動画データがパソコンに保存出来なくなってしまいます。
このような場合は、動画の保存用に別途外付けストレージなどが必要になります。
一回だけで動画編集をするような場合ならあまり問題になりませんが、定期的に編集する場合にストレージ容量が少ないと頻繁にファイルを整理をしなければならなくなります。
頻繁に動画編集をするなら、空き容量が少なくとも数百GB以上になる512GBや1TBやそれ以上のストレージ容量のパソコンを選びましょう。
動画編集で最低限チェックすべき項目
CPUに動画処理回路が入っていること
一般的に2011年以降のパソコンなら動画処理用の専用回路が入っています。
ストレージ容量に余裕がある事
動画ファイルは大きいので、編集元のファイルを余裕を持って保存出来るような容量が理想。
用途などによりますが、512GBや1TB、それ以上あると余裕を持って利用出来ます。