ノートパソコン用のメモリモジュールは、デスクトップパソコン用のDIMMを小型化したSO-DIMMが長年使われていた。
2010年頃のUltrabookなどの薄型ノートパソコンでも、SO-DIMMを使った製品も多かったが、次第にマザーボードにメモリを直付けし、メモリ交換が不可能な製品が増えていった。
マザーボードにメモリを直付けした場合、SO-DIMMのサイズの制限を受けずにノートパソコンを薄型、小型化できるという利点があるが、メモリ構成が固定され、ユーザーにとって購入後の増設が出来ないという問題もある。
CAMM – Compression Attached Memory Module
そこでDELLとIntelが開発したのがCAMMという新しいメモリモジュール。2022年4月に情報がリークされたが、2022年5月に開催されたIntelのVISIONでDELLのPrecision 7670 / 7770 でこのモジュールが搭載されることが正式に公開されたようだ。日本で4月に発表されたPrecision 7670にはSO-DIMMが使われているが、CAMMを使用した製品も登場する事が予想される。
CAMMはCompression Attached Memory Moduleの略で、SO-DIMMの代わりとなるメモリモジュールとして開発されているようだ。今のところ独自企画だがJEDECでの標準化も目指しているため、標準化されれば他社もこのモジュールを採用するようになるだろう。
PC Worldの記事によると、現在のDIMMは1つのスロットでの制限があるが、CAMMモジュールは1つのスロットで現在なら16GBから128GBまでの容量を実現でき、128GBならモジュールのサイズも大きくなるような設計になっているようだ。大きさが変わるのはM.2のSSDのようなイメージだろうか。
メモリスロット自体もDIMMの用に差し込む方式ではなく、上に載せてネジで固定する方式になる。スロット自体の数やサイズが大幅に縮小される可能性があり、ノートパソコンの薄型軽量化に貢献しそうだし、それを目指しているのだろう。
この規格が普及すれば、薄型ノートパソコンでのメモリ交換も一般的になっていく可能性もある。